雇用保険業務取扱要領(行政手引)
- 21701-21900 第11 被保険者に関する諸届出
- 21751-21800 2 転勤の届出
21752(2) 転勤届を提出する場合
転勤とは、被保険者の勤務する場所が同一の事業主の一の事業所から他の事業所に変更されるに至ったことをいう。
したがって、単なる出張又は駐在は転勤とは認められない。この場合、転勤であるか単なる駐在又は出張であるかの判断が困難な場合は、辞令の交付、直接の指揮監督者の変更、給与の支給場所の変更の有無等を総合的に判断して決定する。転勤と認められない短期の出張、駐在等の場合には、転勤に関する届書を提出させる必要はなく、従来どおりの事業所に勤務しているものとして取り扱う。この短期とは、おおむね2か月ないし3か月の期間であるが、事業の性質上有期の工事に従事するような場合(土木建築業等)は、2か月ないし3か月以上であっても転勤と認められない場合がある。
なお、船員に関しては、同一の事業主の下で、船員と陸上勤務を本務とする労働者(船員でない労働者)との間の異動がそれぞれの間であった場合には、いずれの場合も、転勤届を提出させるのではなく、異動前の事業所における被保険者資格喪失届、異動後の事業所における被保険者資格取得届を提出させることする(20603、20701のホ、21201ロの(ハ)参照)。
転勤と認められた場合は、転勤前の事業所と転勤後の事業所とが同一の安定所の管内である場合でも転勤届の提出を要するものであり、事業主が慣習上転勤として取り扱っているか否かには関係ない。また、転勤は事業所間のものであるから、一の事業所と認められない施設に移動した場合は、届出を要しない。ただし、その施設の直近上位の事業所が移動前の事業所と異なるときは、届出を要する。
なお、転勤とは同一の事業主の有する事業所間の移動であり、したがって当該事業主との雇用関係は中断されないから、被保険者であった期間にも中断はないものである(船員に関する同一事業主の下における船員と船員でない労働者との間の異動も同様である。)。
また、一の事業所が二の事業所に分割された場合(22102のイ)及び被保険者が事業譲渡に伴って旧事業主と同一事業主と認められる新事業主との間に雇用関係を結ぶ場合(22703)にも、一定の労働者について、転勤があったものとして取り扱う。