雇用保険業務取扱要領(行政手引)

20001-23500 適用関係

20703(3) 資格取得届記載要領及びその指導

  • イ 資格取得届記載の適否は、被保険者資格の取得の確認に当たって基本となるものであるから、用紙の裏面に記載されている注意事項のほか、次の要領により正確に記載するよう事業主に対し指導する。
     なお、この場合において、事業所名等事業主がゴム印を押印する方が便利なときはゴム印を押印しても差し支えない。
    • (イ) 1欄(被保険者番号)は、2欄(取得区分)に「1」(新規)と記載した者については、センターにおいて付与するので空欄とし、2欄に「2」(再)と記載した者については、事業主においてその者に既に付与されている被保険者番号を被保険者証から転記する(被保険者番号については、20706参照)。
    • (ロ) 2欄は、当該資格取得前に雇用保険の被保険者(日雇労働被保険者を除く。)であったかどうかについて被保険者の確認を得た上、該当するものの番号を記載する。
       なお、最後に被保険者資格を喪失してから7年以上経過している者が再び被保険者資格を取得した場合は、当該資格取得は新規取得として取り扱う。
    • (ハ) 3欄(被保険者氏名)は、2欄に「1」と記載した資格取得届の場合には、当該資格取得届に係る者の氏名(フリガナ)を明確に記載し、また、2欄に「2」と記載した資格取得届の場合には、当該資格取得届に係る者の被保険者証に記載されているものと同一の氏名(フリガナ)を記載する。
       なお、資格取得届の3及び4(変更後の氏名)のフリガナ欄に記載する氏名はカタカナ及び長音記号とし、姓と名の間は1文字分空枠とする。また、姓と名の間の空枠を含んで20文字を超える場合は20文字までを氏名とする。この場合、被保険者である外国人名は日本名を記載してもよい。
    • (ニ) 7欄(事業所番号)は、当該資格取得届の提出に係る者を雇用する事業所の事業所番号を記載する(事業所番号については、22004参照)。
       なお、その者が現実に使用される施設等が一の事業所と認められない場合は、その施設の付属する直近上位の事業所の名称を17欄(事業所名)に記載し同事業所の事業所番号を7欄に記載する。
    • (ホ) 8欄(資格取得年月日)は、当該届出に係る被保険者資格を取得した年月日を記載する(2055120600参照)。
    • (ヘ) 9欄(被保険者となったことの原因)は、該当する番号を記載する。「1」(新規学卒)に該当するのは、新規学校卒業者のうち、資格取得年月日(8欄)が卒業年の3月1日から6月30日までの間である場合である。
       また、「4」(その他)に該当するのは次のような場合である。
      • a その被保険者の雇用される事業が新たに適用事業となった場合
      • b 4か月以内の期間を定めて季節的に雇用される者、すなわち、季節的業務に4か月以内の期間を定めて雇用される者又は季節的に4か月以内の期間を定めて雇用される者が、所定の期間を超えて引き続き同一の事業主に雇用されるに至った場合(20303の二の(イ)及び20555参照)
      • c 同一の事業主の下で、船員と陸上勤務を本務とする労働者(船員でない労働者)との間の異動があった場合(65歳(船員の適用上限年齢に係る経過措置に留意。20303のイのなお書き参照)以上である場合には「8」となることに留意。以下のまた書き参照)
      • d 国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業に雇用され、雇用保険の被保険者から除外されていた者が、身分の切換え等により新たに被保険者となった場合
      • e 適用事業に雇用されていた被保険者が、在籍出向し、出向先で新たに被保険者資格を取得していた場合であって、出向元に復帰(65歳以上の者が出向元に復帰した場合(20353のイの(ニ)のb参照)、65歳(船員の適用上限年齢に係る経過措置に留意。20303のイの        なお書き参照)以上の船員の在籍出向に係る場合(以下のまた書きa、bの場合)を除く。)し、出向元で再度被保険者資格を取得することとなったとき(在籍専従の場合も同様、20353参照)
         なお、取締役又は外務員等雇用関係が不明確であり委任関係であるとして被保険者から除外されていた者が、新たに明確な雇用関係に基づいて就労したような場合は、「2」(新規雇用(その他))に該当する。
         また、「8」(出向元への復帰(65歳以上)等)に該当するのは次のような場合である。
        • a 65歳以上の者(船員については以下のb、c参照)が出向元に復帰した場合(20353イの(ニ)のb参照)
        • b 65歳(船員の適用上限年齢に係る経過措置に留意。20303のイのなお書き参照)以上の船員が出向先において被保険者資格を取得した場合及び出向元に復帰した場合(20353イの(ニ)のc)参照)
        • c 同一の事業主の下で、船員と陸上勤務を本務とする労働者(船員でない労働者)との間の異動があった場合であって、異動後の事業所における取得が適用上限年齢(船員でない労働者の場合には65歳、船員の場合には20303のイのなお書き参照)を超える取得となる場合被保険者資格を取得した原因が2以上に該当する場合(例えば、労働者を4人雇用していた暫定任意適用事業が新たに1人雇用したため、適用事業となった場合は、最初の4人は「4」となるが5人目の1人は「2」と「4」の双方に該当することとなる。)は、「1」、「2」又は「3」のいずれかを記載する。
    • (ト) 10欄(賃金)は、統計上利用されるものでもあるので、次の点に留意して記載する。
      • a 同欄には、雇入れの際に約定された賃金のうち、毎月定まって支払われるべき金額(毎月決まって支払われる各種の手当はこれに含まれる。)を記載する。賞与、超過勤務手当等臨時の賃金は除かれる。
      • b 賃金支払の態様が日給又は時間給による者の場合は、約定された日給又は時間給の額にその者の1月当たりの所定労働日数又は所定労働時間(これらが特定されていない場合においては、当該事業所において同種の労働に従事し、かつ、同様の賃金を受ける者の平均の稼働日数又は稼働時間)を乗じて得た額を記載する。出来高給による者の場合は、同種の労働に従事し、かつ、同様の賃金を受ける者の出来高給を平均して得た月額相当額を記載する。
    • (チ) 11欄(雇用形態)は、当該資格取得届に係る者の雇用形態について、該当するものの番号を記載する。届出に係る者が派遣労働者(いわゆる登録型の派遣労働者。船員に該当する者を除く。)に該当する場合には「2」(派遣労働者)、短時間労働者(派遣労働者、船員に該当する者を除く。20901参照)に該当する場合には「3」(パートタイム)、有期契約労働者(パートタイム、派遣労働者、船員に該当する者を除く。)に該当する場合には「4」(有期契約労働者)、船員に該当する場合には「6」(船員)と記載する。
    • (リ) 12欄(職種)は、職業名解説等の資料をあらかじめ事業主に配付しておくこと等の方法により、事業主が正確に記載し得るよう指導する。
    • (ヌ) 15欄(契約期間の定め)は、雇用期間を定めて雇用している者については、「1有」とし、契約期間、契約更新条項の有無を記載する。
       なお、船員については、契約期間の定めがある場合であっても、船員労働の特殊性から「○○漁期期間中」「○○から○○間の一航海」「○○回航終了まで」など、契約期間の終了日が明確でない場合があるが、この場合には、概ね見込まれている契約期間の終了年月日を記載する。
    • (ル) 16欄(1週間の所定労働時間)には、届出に係る者の1週間の所定労働時間を記載する。1週間の所定労働時間の算出に当たっては、次の点に留意する。
      • a 「1週間の所定労働時間」とは、就業規則、雇用契約書等により、その者が通常の週に勤務すべきこととされている時間をいうこと。
         この場合の「通常の週」とは、祝祭日及びその振替休日、年末年始の休日夏季休暇等の特別休日(すなわち、週休日その他概ね1か月以内の期間を周期として規則的に与えられる休日以外の休日)を含まない週をいうこと。
         なお、4週5休制等の週休2日制等1週間の所定労働時間が短期的かつ周期的に変動し、通常の週の所定労働時間が一通りでないときは、1週間の所定労働時間は、それらの平均(加重平均)により算定された時間とすること。
      • b 所定労働時間が1か月の単位で定められている場合には、当該時間を12分の52で除して得た時間を1週間の所定労働時間とする。
         この場合において、夏季休暇等のため、特定の月の所定労働時間が例外的に長く又は短く定められているときは、当該特定の月以外の通常の月の所定労働時間を12分の52で除して得た時間を1週間の所定労働時間とすること。
         通常の月の所定労働時間が一通りでないときは、aのなお書きに準じてその平均を算定すること。
      • c 所定労働時間が1年間の単位でしか定められていない場合には、当該時間を52で除して得た時間を1週間の所定労働時間とすること。
         なお、労使協定等において「1年間の所定労働時間の総枠は○○時間」と定められている場合のように、所定労働時間が1年間の単位で定められている場合であっても、さらに、週又は月を単位として所定労働時間が定められている場合には、上記によらず、当該週又は月を単位として定められた所定労働時間により1週間の所定労働時間を算定すること。
      • d 届出に係る者が通常の労働者であり、かつ、その1週間の所定労働時間が30時間以上であることが明らかである場合には、「○○時間○○分程度」等概算による記載で差し支えない。
      • e 船員については、船員労働の特殊性から「1日8時間以内」「基準労働期間について平均1週間当たり40時間以内」など、一定の時間以内と定められている場合があるが、この場合には、その上限の時間により算定した所定労働時間を記載すること。
    • (ヲ) 18欄(備考)には、9欄(被保険者となったことの原因)の「4」(その他)に該当する場合の具体的説明を記載する。
    • (ワ) 事業主の住所氏名欄の記載は22202による。
    • (カ) 「社会保険労務士記載欄」については、当該資格取得届の作成を社会保険労務士に委託した場合にのみ記載させる。この場合、当該欄中「作成年月日・提出代行者・事務 代理者の表示」欄には、作成年月日を記載し、「提出代行者」(社会保険労務士法施行規則第16条第2項参照)・「事務代理者」(同第16条の3参照)を表示する。また、氏名欄には、社会保険労務士の名称を冠して記名押印しなければならない(同第16条第1項参照)ので、確認に当たっては十分留意する。
  • ロ 事業主が用紙に所要事項を記載するに当たっては、黒のボールペンを使用させることを原則とするが、資格取得届用紙のOCR読取り部分については、黒の鉛筆(HB程度)を使用させても差し支えない。